- はじめに
- 身体的側面
- 精神的側面
- 自己嫌悪を感じにくくなった(初期〜)
- 時間を持て余す感覚に陥った。(初期〜1カ月経過頃)
- 飲酒を煽るような映像に心をえぐられる(初期〜2ヶ月経過頃)
- 断酒に対する考え方が少し変わり始めた(一ヶ月経過頃〜)
- 近しい人からの誘惑が辛かった(適宜、数回に及ぶ)
- 断酒に対する『安心感』を覚えるようになった(一ヶ月経過頃〜)
- 休日に出かけるのが億劫じゃなくなった(一ヶ月経過頃〜)
- 自己肯定感の向上を感じるようになった(一ヶ月経過頃〜)
- 感情の制御範囲が広がった(一ヶ月経過頃〜)
- 酔っ払っていた自分の姿が薄れ始めた(二ヶ月経過頃〜)
- 「お酒が無くても楽しい事がある」と実感し始めた。(二ヶ月経過頃〜)
- お酒の呪縛から段々と解放されて来ているのを感じた。(二ヶ月経過頃〜)
- 断酒は自分の人生に対する投資だと感じ始めた(二ヶ月経過頃〜)
- ノンアルコールでいる事に慣れてきた(三ヶ月経過頃〜)
- おわりに
はじめに
ご覧いただきありがとうございます!
この記事に訪れたあなたは、断酒を実行してみようと思いながらも、実際にはどんな影響や症状が現れるのかが気になっている方なのではないでしょうか?
断酒を実行して100日を迎えることが出来た私の飲酒時代は、お酒を止めたいと思いながらも、結局仕事の帰りには何かに導かれるようにスーパーに立ち寄り、何事も無かったかのように酒を買って帰る毎日でした。
そんな日々に遂に別れを告げた私の『断酒ゼロ日目』。一歩目を踏み出した自分を褒めたい気持ちと同時に、当時は正直喉から手が出る程お酒を欲していました。
この記事ではそんな私が断酒100日を迎えるまでに、心や体にどのような影響や変化を感じていったかを『身体面』と『精神面』に分け、それぞれを時系列に書き残していきたいと思います。
私のこの記事で、これから断酒に取り組もうとする人、現在断酒に取り組んでいる人の背中を押すことが出来たなら、それほど嬉しいことはありません。
是非、これからの人生をより良く生きるためにも『断酒、悩んだら迷わずGO!!』共に楽しんでいきましょう!!
身体的側面
朝の目覚めが良くなった(初日〜)
断酒を始めて一晩明けた翌朝の感想としては、それまでのように眠気がグダグダと長引かないように感じました。初日以降も日によって多少感じ方は違うものの、相対的に考えても、断酒前と比較して圧倒的に目覚めは良くなったと感じました。
お腹がしっかりと減る感覚が得られた(初日〜)
こちらも初日から感じた感覚ですが、それまでとは違ってご飯の時間に近づくと「お腹空いたぁぁ!」という感覚を強く感じました。この感覚は初日からずっと感じているもので、断酒100日を経過した今では、以前はなぜ空腹感をさほど感じずに1日を過ごせていたのかが不思議なくらいです。
巷では「お酒をやめると太る。」という事も囁かれていますが、その要因はこの『しっかりとした空腹感』なのかもしれません。この空腹感を欲望のままに満たそうとすると、当然肥満に向かっていくことも否めませんが、後に述べるように、食べる量や種類、頻度についても段々と変化していく事が期待されますから、あまりゴールを近くに設定したり、二兎を追ったりせずに、まずは断酒を試みている自分を称賛し習慣付けていって欲しいなと思います。
体のだるさを感じる(初日〜10日前後)
断酒開始から約10日の間、一日の中の多くの時間で体にだるさを感じていました。恐らくこれが『離脱症状』と呼ばれるものだと思うんですよね。
正直この時期は辛いです。体のだるさもある上に飲酒欲求も強いです。
私の場合、幸か不幸かこの時期に家族全員でコロナに感染してしまい、自宅軟禁を余儀なくされました(笑)そのお陰もあってこの第一関門を突破できましたが、この時期を乗り越えられるかどうかが一つのポイントとなると言っても過言ではありません。
個人差はあると思いますが、私の場合、10日を越えるとほとんど症状が無くなりました。よく聞く話では〜2週間程度、この離脱症状を感じる事にはなると思いますが、その時期を越えればむしろ逆に活力が沸き、爽やかな気分で一日を過ごし切ることが出来るようになります。
この時期を乗り切る為には、多少力技で飲酒に関わりそうな全ての情報を断った方が賢明ではないかと個人的には思います。
甘いものを異様に欲するようになった(初日〜二週間頃)
お酒と同じで糖質を摂ることによって神経伝達物質のドーパミンが分泌されるらしいですね。
ドーパミンは『快楽をもたらす』事がわかっており、本来は何かを達成した時などの報酬として分泌されるものなのですが、ただ『お酒を飲む』という行為だけで、手軽に快楽を感じるということを体が覚えてしまうと、いわゆる『依存症』への道に一直線になってしまうワケですね。
で、私の場合、これまで飲酒によって分泌されていたドーパミンを、代わりに分泌してくれる物質を無意識に探した結果、甘い物に行き着いたといった所でしょうか。いずれにせよ、お酒も糖質も「快楽に繋がる」と体が認識してしまうと非常に恐ろしいことになってしましそうです。
ただ、二週間頃を過ぎてから、当初異様に欲していた甘いものに対して、さほど欲求を感じなくなりました。アルコールが体から完全に抜けきったことで、代わりの品(糖質)もさほど必要なくなったということなのでしょうかね。
とにかく体調が良い!!(約10日経過頃〜)
断酒当初こそダルさが体から抜けませんでしたが、その感覚が無くなって以降は、とにかく毎日の体調がとても良い!!細かい事は抜きにしても、これだけで断酒には十二分な価値があると感じるのは私だけでしょうか?
筋トレの効果が上がり始めた(二週間経過頃〜)
私は数年前から、朝のワークアウトとして自重トレーニングを行なっているのですが、断酒を始めたおかげで、これまでのようにアルコールの分解の為にタンパク質が使われる事が無くなります。それに加えて飲酒による余分なカロリー摂取が無くなった分、体脂肪分も減り、筋肉の見え方が変わってきました。
筋トレをおこなう者としては、その効果が上がるのはとても嬉しいことですからね。
食べる物の量や頻度が適正になった(二週間経過頃〜)
酒飲み時代の私は、酒のツマミになる食べ物で、塩分やカロリーは高いけどお腹にあまり溜まらない物だと、ほぼ際限なく食べてしまっていました。例えば韓国のりとかキムチとかチャンジャなどなど。。。
でも本来シラフでそれらを食べようとすると、そんなに大量に食べられるものではないんですよね。正直、ちょっとツマめばそれで十分です。これらの食べ物の『適量』というのがどれくらいの量なのかが、断酒をするとよく分かります。「そりゃ血液ドロドロになったりするわ…」と思いました。
好きな食べ物や嗜好品が変わってきた。(一カ月少々経過後〜)
以前ならALWAYSラーメン好きだった私ですが、断酒を始めてから『衝動的かつ過剰な食欲』が無くなりました。『腹八分目』で満足できる冷静な自分がいる事に気付きました。
量よりも味わいを重視するようになった感覚ですかね。このことにより、ラーメンなどお腹に溜まるものよりも、軽く食べられて後味のスッキリしたものを好むようになりました。以前の自分なら信じられませんが、「お昼にオシャレなパン屋さん」なんて選択肢が出てくるようにもなりました。
そうなると自然と1日あたりのカロリー摂取量も減る傾向になりますから、一石二鳥の効果があります。
体重&体脂肪率の減少(約40日で3.2kg減→約90日で5kg減 体脂肪率7%減)
体重や体脂肪は無闇矢鱈に減らせば良いというものでもありませんが、如何に飲酒が無駄なカロリーを摂取に繋がっていたかという事はよく分かりました。
見た目にも体型の変化が分かるようで、数ヶ月ぶりに会う人には「痩せた?」と声をかけられるようにもなりました。
ただし私の場合、『断酒』単体での成果という訳ではなく、毎朝の自重トレーニングに加えて16時間断食による効果もあるとは思います。
お酒好きの方の中には「炭水化物を摂らなきゃ太りはしない。」という理論で、『ご飯はおかずのみ』という選択をする方もいらっしゃるかと思います。(←過去の自分)しかし、どうやらそれでは削り切れない程のカロリーを、飲酒によって摂取してしまうようです。
精神的側面
自己嫌悪を感じにくくなった(初期〜)
何より前向きな気持ちで朝を迎えられるようになりました。
「また朝が来てしまった。」、「また昨日も頑張れなかった。」といったネガティブな気持ちで朝を迎えるのではなく、朝が来た事にポジティブな気持ちになれている自分に気付きます。
お酒を飲んでいた時は、『負の感情』からスタートした一日を、最後にお酒という“薬物”を使った覚醒で、『正の感情』にしたかのような気になって一日を終える。でも結局次の日は現実に戻って『負の感情』から一日が始まるというスパイラル。でした。
しかしこの負のスパイラルが、断酒をすることで明らかに『負の感情』ではなく『正の感情』から一日をスタートするスパイラルに変わりました。この変化は本当に大きいし有難い変化です。
時間を持て余す感覚に陥った。(初期〜1カ月経過頃)
これまで如何に「お酒を飲む」という行為に時間を浪費していたのかが、痛いほど分かりましたね。
「時間が過ぎていかない。」、「何をして過ごしたらいいのか分からない。」という感覚が猛烈な勢いで私を襲いました。
しかしこの感覚に慣れてくると、より質の高い時間の使い方を模索するようになり、新しい趣味を見つける事に繋がったり、自分の中に新たな価値観を形成していく事に繋がります。
ちなみに私は、お酒を辞めた事で著しく浮いたお金を使って、自動二輪の免許を取得する事にしました。元々私は二輪にはまるで興味は無かったのですが、『断酒』という機会が私を思いがけない方向に向かわせました。新しい事にチャレンジするって、何歳になっても素敵な事だと思いませんか?
良いか悪いかは別として…ね(笑)
飲酒を煽るような映像に心をえぐられる(初期〜2ヶ月経過頃)
断酒開始からしばらくの間、テレビC Mなどで、美味しい食べ物や楽しげな場所と共に出てくる飲酒シーンがとても辛いです。特にそう感じたのは〜2ヶ月頃までですが、恐らくこれからも何かしら複数の要素が組み合わさった時に、衝動的な飲酒欲求を感じることはあると思います。
でも大切な事は、その時にその衝動に屈しない事なんですよね。いつそういう時が来てもいいように、気を抜いてはいられません。
断酒に対する考え方が少し変わり始めた(一ヶ月経過頃〜)
断酒初日からしばらくの間は「このまま一生お酒を飲む事はないのか?」という自問自答に気が狂いそうになっていましたが、二ヶ月目頃には「まぁそれもアリかな?」と思えるようになりました。これはかなり大きな変化です。手前味噌ながら、大したもんですよね(笑)
近しい人からの誘惑が辛かった(適宜、数回に及ぶ)
職場の人や仲の良い友人程、これまで私が如何にお酒好きだったかを知っています。だからこそ「断酒なんてやめときなよ。」や「完全に止めるのは無理でしょー。」などと言葉を掛けてくる傾向があります。もちろん悪気があるという訳ではなく、信頼関係や親しみがあるから気軽に煽ってくるんだとは思うんですが…これ、中々しんどいんです。こっちは本気なだけにね。
でもこういった周囲の声は徐々に変わってきます。こちらが本気なのは徐々に伝わっていくんです。だからこそ、こういう時が踏ん張り所です。それでも、いつまで経ってもこちらの頑張りを汲んでくれないような人なら、正直疎遠になっても構わないと私は思います。
もし自分の身の回りに断酒を試みる人の足を引っ張ろうとする人がいたら、是非助けに入る存在でいたいものですね。
断酒に対する『安心感』を覚えるようになった(一ヶ月経過頃〜)
自分に対して『達成感』や『よく頑張った感』はこれまでも感じてきましたが、『安心感』を感じるようになってきたのは一カ月経過した頃からな気がします。
お酒を飲むメリットよりも、飲まないメリットの方が大きいという事を、心も体も感じ始めたのかもしれません。
休日に出かけるのが億劫じゃなくなった(一ヶ月経過頃〜)
以前なら休日にはどこにも行かず、昼間からおツマミとお酒を頂き、一眠りしてからまたお酒を頂くという怠惰な生活をする事が多かったです…。
それがそもそもお酒を飲んで無い訳ですから、何時に何処にでも出掛けられます。そしてその行動自体が自分自身をよりポジティブな気持ちにしてくれると感じました。
自己肯定感の向上を感じるようになった(一ヶ月経過頃〜)
自己肯定感って、何かで表彰された時のような他との比較の中での優劣ではなくて、自分の内側から少しづつ積み上がってくるものなんですよね。
私のやっている『断酒』は一日ずつ、少しずつしか積み上げる事は出来ないし、断酒に興味のない人や、そんな事しなくても大丈夫な人からすると「たかが断酒…」なのかもしれません。でも正直そんな事はどうでもいいんです。一日一日を大切に慎重に積み重ねていく営みが、着実に自己肯定感の向上に繋がっていくんです。
このように考えると、『断酒』というのはそれ自体が“目的”なだけではなく、自分がより良く生きていくための“手段”として捉えることもできますね。
感情の制御範囲が広がった(一ヶ月経過頃〜)
以前よりも喜怒哀楽の感情、とりわけ怒りを感じた時に一呼吸置けるようになったように思います。
慢性的にアルコールが体内に残っていると、自分の感情を制御する力が一回り小さくなっているような感じがしますが、シラフで居られることで自分本来が持つ喜怒哀楽の感情をそのまま出せるようになったと感じています。改めてお酒の持つ感情のブースト機能は恐ろしいなと思います。
酔っ払っていた自分の姿が薄れ始めた(二ヶ月経過頃〜)
以前ならお酒の場で酔っ払って楽しんでる自分を一瞬で想像でき、「楽しかったな。」「懐かしいな。」と感じる事も多かったんですが、徐々にそんな自分の過去の姿を思い出す事が簡単ではなくなってきました。
つまり、それはシラフで居る事が当たり前になってきた証拠です。でも、そういう時こそ気を抜くべきではありません。こちらが気を許せば、誘惑はアッという間に私たちの懐に入り込んできます。どんな事でも同じですよね。
「お酒が無くても楽しい事がある」と実感し始めた。(二ヶ月経過頃〜)
これまでの約20年間、私にとっての“楽しい時間”とは、常にお酒を共にしてきたと言っても過言ではありません。断酒を始めた当初は、『お酒を飲む』という行為から気を逸せる為に、他の何かをおこなっていましたが、断酒期間が長くなる程『気を逸らす』という感覚は無くなっていきました。
更にこの『断酒』という機会を通じて、お酒無しで色々な時間を過ごしてみた結果、楽しいものはお酒があろうがなかろうが楽しいという事を肌で感じました。つまり、「お酒が無ければ楽しくない。」という感覚は、アルコールの罠がもたらす幻想だったということですね。
お酒の呪縛から段々と解放されて来ているのを感じた。(二ヶ月経過頃〜)
今まで感じていた酒を飲むための大義名分『ストレス解消』、『肝機能の活性化』、『人間関係の潤滑油』、『大人の嗜み』などは全て、何者かが私たちをお酒の世界に引きずり込む為の悪魔の囁きだったのかな?と今となっては感じています。
だって自己嫌悪や依存性によってストレスは逆に溜まるし、長期的に考えて肝臓には大ダメージを与えるし、下手をしたら人間関係破壊の為の爆弾になるし、嗜むならもっと他のものがあるし…(笑)
また、酒飲み時代、半ば誇らしくすら感じていた『ザル』や『酒豪』という称号は、得た所で何の価値もなく、失った所で何も痛くも痒くもない事なんだと気付くことが出来ました。
断酒は自分の人生に対する投資だと感じ始めた(二ヶ月経過頃〜)
考えてみれば当たり前すぎる話ですが、飲酒をする事でかかるのは酒代だけではありません。それに加えてお酒を飲んで思考が働きにくくなった分の時間的ムダ。いずれ、飲酒が原因で健康を損なった時にかかるであろう医療費。などです。
『断酒』はこれらを全てクリアにしてくれます。断酒をする人としない人では、人生全体で起こる経済的、時間的、身体的、精神的な消耗の程度に圧倒的な差が生まれる訳ですね。
ノンアルコールでいる事に慣れてきた(三ヶ月経過頃〜)
良くも悪くもノンアルコールで生活をする事が当たり前になってきました。そうなると、断酒当初は感じることが出来た新鮮な感覚も薄れてくる事実は否めません。それでも一日ずつ、日々の積み重ねができている事をしっかり褒めるべきだと思う訳です。
おわりに
断酒を継続して100日という節目を迎えた今、私が率直に感じる事は、断酒をする事にはメリットしかないという事実です。身体的に、精神的に、経済的に、時間的にと…あらゆる側面から見てみても、明らかにデメリットは一つもありません。見渡す限りのメリットばかりです。
断酒を始めるに至った時は「遂にここまで来ちゃった自分はもう終わったな…」と思いました。しかし今思えば、それは『終わり』ではなくて『新しいスタート』の合図だったのだと思います。
これからの人生、何を始めるにしても『遅すぎる』という事は一つもありません。なぜなら私たちのこれからの人生は、今この瞬間が最も若い瞬間だからです。
改めて、この記事が誰かの背中を押せる事を願いつつ、結びとしたいと思います。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!
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